こころあそびの記

日常に小さな感動を

大祓詞

 

 北から寒気が降りてきて、南から台風の影響を受けた湿気が吹き込まれているために、朝から大雨です。

 日本列島という島が、ちょうどこの場所に存在するのは、たまたまなのでしょうか。それとも、どなたかの謀なのでしょうか。

 こんな小さな列島の国が何千年と続いていることは奇跡です。

 

 ですが、それを不思議とも思わない民が増えているとか。

 突然の脅威でも降りかかれば、目覚めるかというと、ここまで平和ぼけしているから、それも期待が持てないという心寒い話が取り沙汰されています。

 

 

 それで思い出すのはうろ覚えの仏話です。

 お父さんと子どもたちが留守番をしていました。お父さんが子どもたちに薬を飲むようにと命じても、子どもは頑として拒みます。

 そのとき、お父さんは、妙案を思いついて、「お母さんが死んだ」と言い渡します。

 子どもたちはどうしたでしょう。

 直ぐに薬を飲んだという寓話です。

 正常な感覚を目覚めさせるには、こういう特効薬しかないということです。

 しかし、そんな劇薬を使わなくても、この国はゆるりと効く薬を受けついできたことを思い出しましょう。

 世界が変わろうとしている今であっても、明日を今日と同じく安らかに過ごす方法があります。それは、先人がしてきたことの中にヒントがあるように思えてなりません。

 

 

 雨が、携帯カメラに写るくらい激しく降っています。雨音は気持ちを落ち着けてくれます。

 静かな雨の日は、市軸神社の宮司さんから出された宿題を完成させるには、もってこいです。朝から、今日こそ頑張ろうと取りかかって、ようやく先ほど書けました。

 

 

 宿題は大祓詞の清書です。といっても、写経と同じように薄い下書きをなぞるだけなんです。

 それでも、筆を持ちなれない者にとって、900字はしんどいことでした。

 

 日本は万葉の時代から「言霊の幸はふ国」といわれ、言葉に魂が宿ると考えてきました。祝詞は、声を出して奏上することが大切なのだそうです。

 それはなぜか。天上の神様が聞いておられるのです。今日は清書するところまででしたが、次回、神社で声を出して読みあげるはずです。

 下手くそでも、神様に届ける声だと思って心を込めて読みたいと思います。

 

 

 大祓詞の要約は。

 知らず知らずのうちに身につけた罪や穢れは、川の瀬に坐す瀬織津比賣(せおりつひめ)が下流に流します。海には、速開都比賣(はやあきつひめ)がおられて、海の中に引き込みます。それを、根の国、底の国に坐す速佐須良比賣(はやさすらひめ)が棄て流して下さいます。

 

 こうやって、罪や穢れが清められることを知れば、今日の大雨も神様のお心だと分かります。

 さて、六月に入れば、夏越しの大祓えが始まります。

 茅の輪をくぐるときは、略拝詞を唱えるといいそうです。

  「祓い給へ(はらへたまへ)

    清め給へ(きよめたまへ)

    守り給へ(まもりたまへ)

    幸え給へ(さきはえたまへ)」

 

 

  最後に、小國神社が掲載されていた「祖先が大切にしてきた生き方」を転写いたします。

 

  「神々を敬い

   万物に霊性を認め

   祖先の心を己の心とし

   自然と調和しながら

   平和に暮らす」

 

 この国に生きる人には、当たり前のことばかりです。