こころあそびの記

日常に小さな感動を

「春捂秋凍」

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 春爛漫になるためには気温の不安定さというハードルを越えねばなりません。
 確かに昨日一昨日の5月の陽気から一転、今朝の寒さはどうでしょう。
 風が雨戸を揺らす音に目覚めて外に出てみたら、真っ暗なスクリーンに寒い朝ならではの星々の瞬きが美しくて見とれる空でした。
 新暦2月の「如月」(きさらぎ)の言葉通り、今日からはまた一枚羽織ものが必要になることでしょう。
 「春捂秋凍」という養生戒があります。
 春、暖かくなったからといって、直ぐに厚い服を脱いではいけません。秋、涼しくなったからといって、直ぐに着込んではいけません。というものです。
 私達は、暖房や防寒着で寒さを防いでいると思いがちですが、実は身体の構造に防寒機能が備わっていることをご存知でしょうか?
 人間だって自然の一員ですから、大昔から長い歴史の中で鍛え上げられた生きる力があるのです。
 それは、皮膚という防寒具です。寒ければキュッと引き締めて体内の陽気を逃さないように体を守ります。
 三寒四温で気温が不安定な早春には、体はまだ完全に目覚めていません。皮膚は冬仕様です。寝ぼけた体から急に布団を捲られたら風邪をひいてしまいます。
 それから、春は全ての生物の目覚めの時です。今、私達を脅かしているウィルスの活動も活発になることも考慮しなくてはなりません。
 薄着を決め込むのは今しばらく待ちましょう。春めく自然に誘われて、身体が完全に目覚める日はもうすぐそこまで来ています。