こころあそびの記

日常に小さな感動を

蕗の薹

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 「シャンシャン行こか!」と声をかけたら、「えっ、ホント?行く行く!」と起き上がってクルクル回るんですよね。犬は大昔から人間の友達。
 昨日も、日の出に合わせてこの相棒と散歩しました。
 辛夷が見たくて、キョロキョロ。亀岡に抜ける裏街道で、農家と庭先の大きな辛夷が額縁に入れたように見えた日のドライブを思い出しながら、今年は自粛です。
 何本か満開を迎えている辛夷も見かけましたし、公園では鶯の初鳴きも聞きました。川にはものすごい食欲でモーニング中のかわいい鴨たちの姿がありました。
 そんなことをあちらこちらと見て回るぶらぶら歩きは本当に楽しいものです。企画展のない動物園、植物園は、気づいてくれる人だけのためにスペシャル展を連日開催中です。
 散歩の効用は、季節を感じることにあります。
 春だなぁと体と心を緩めて歩けば、自分を励ましてくれる何かと必ず出会えるひとときです。
 先日のカタクリの君が「僕らは歩くのが仕事やから」と謙遜したようにおっしゃってましたが、歩けば病気の九割は治るといわれています。老年になっても歩きましょう。
 人類はキリンのように首だけ伸ばす進化を選ばず、二足歩行で手を使うことを選びました。でもその不安定な姿勢を支えるために腰痛や膝痛などのリスクが付きまといます。
 体と相談しながら、ゆったり歩きましょう。歩かなければ硬くなって気血水が通りにくくなります。通じなければ、痛みは増幅します。よく血をサラサラするといいと申しますが、そういうことだと思います。
 『呂氏春秋』に「流れる水は腐らず、開き戸の回転軸は虫が食わない」と書いてあります。昔の人々の経験に基づく例えはわかりやすいですね。
 今からは「春夏養陽」(春夏は陽を養う)の季節だから、活動することが健康法です。自然が外に誘い出そうと色も匂いも用意して待っています。ジムやプールもいいけれど、たまには自然の移り変わりを感じてみるのもグッドです。
 あぁ気分爽快!と家に帰ってきたら、蕗の薹が出ていました。灯台下暗し。お家の春も楽しまなくちゃ。これから、毎日、ページをめくるように季節が進みます。お見落としのございませんように。