こころあそびの記

日常に小さな感動を

菅さんのお手紙

 

 友に贈る言葉のお手本を見せていただきました。この弔辞を聞いていた日本人の多くが涙ぐみ、そして温かさを受け取ったことでしょう。

 読後、式場内から自然発生的に拍手が湧き起こり、それまでの静けさが破られたことは、いかに人々を感動させたかの証であります。

 涙していたら、リビングでテレビを見ていた娘が涙声で「菅さんの話、よかったね」とやってきました。安倍さんが思い描く若人の時代がすでに始まっていることを、私は常々感じています。

 昨日の言葉で、若人が自分たちの時代の希望と勇気をあらためて実感してくれたのではないかと、菅さんの伝達力に敬服した次第です。

 明るい未来へ導いてくださいましたこと、ありがたく感謝しています。

 

 

 こんな素晴らしい文章。

 お手紙を書くときのお手本にしたくて、文字おこししてみました。

① 7/8。同じ空間で同じ空気を共にしたいと、現地に向かったこと。

② 蝉はなりをひそめ高い空には秋の雲がたなびき、季節は歩み続けている。でも、私は口惜しくてたまらない。なぜ、いのちを失ってはならない人から生命を召しあげたのかと。

③ 安倍総理。ご覧になれますか?たくさんの人々が集まってくれています。あなたが、希望を持たせたいと念じた若者も大勢見送りに来てくれました。

「日本よ、日本人よ。世界の真ん中で咲き誇れ」というあなたの口癖が、若人に広がっている。

 歩みを共にした者として、これ以上嬉しいことはありません。

⑤ 平成12年。北朝鮮に米を送ることに大反対をぶちまけた私に、すぐさま電話をかけてきて、「拉致被害者を取り戻すため、一緒に行動してくれたらうれしい」と言ってくれました。

 その真っ直ぐな目、信念を貫こうとする姿勢に打たれ、この人こそいつか総理になる人と確信したのです。

 私が、生涯誇りとするのは、この確信が一度として揺らがなかったことであります。

⑥ 持病悪化で退いた後、二度目の自民党総裁選への出馬を迷っておられたあなたを、銀座の焼鳥屋で説得した日。三時間後にようやく首を縦にふってくれました。

 菅義偉は、このことを生涯最大の達成として誇らしく思います。

⑦ TPP交渉にあたっても、前進してこそ活路が開けると、考えたあなたの判断はいつも正しかった。

⑧ そんな覚悟と決断の続く毎日にあっても、あなたは常に笑顔を絶やさなかった。いつも周りの人に心を配り、優しさをふり注いだ。あなたと苦楽を共にした7年8ヶ月。私は幸せでした。

⑨ 衆議院議員会館1212号室。読みかけの本は『山県有朋』(岡義武著)でした。マーカーが引かれたこの歌ほど、今の私自身の思いを詠んだ歌はありません。

 「かたりあひて尽くしし人は先立ちぬ 今より後の世をいかにせむ」

⑩ 深い哀しみと寂しさを思います。

 総理。本当にありがとうございました。どうか、安らかにお休みください。

 

 菅義偉さん、ありがとうございました。

 菅さんのまごころは安倍総理に届いたことを確信しています。