食卓に、この季節ならではの食材が今年も並び始めました。
昨日は、娘の大好物、ズイキの酢味噌和えを作っておきましたところ、夕刻に台所にいったら、半分ほどに減っています。
「あれっ!もうないやん」
「思い違いと違う?」
いつものネズミに食べられていたのです。
「茹で加減がちょうど良くて、美味しかったよ」。
そんな会話も芋茎のおかげです。
台所に立ったついでに作った新生姜の甘酢漬け。これは、私の大好物です。
昔、まだ、カウンターでお寿司を食べていた頃、子供のくせに「ガリ」ばかり頼んだもんですから、大将に嫌がられたこと思い出します。
一昨年、食べ過ぎて、“めばちこ”が出来ました。それに懲りて、去年はパスした新生姜。
今年は、久方ぶりのお目見えです。
生姜の性味は、辛温です。
漢方薬の処方の中には、乾燥させた生姜である乾姜が入っているものがあります。
それは、乾姜のお腹を温める作用を期待してのことです。
ちなみに、日本で販売されている漢方薬に入っている乾姜は蒸してから、乾かしたものですから、薬効には差があるといわれています。
そのほか、生姜には、殺菌作用もあるので、お寿司に、添えられます。また、焼きなすに添えるのは、なすの寒を和らげるためです。
過ぎたるは及ばざるが如し。
どんなものも、食べすぎてはなりません。反省。
家庭菜園では、シソも元気です。
シソは赤紫蘇と青紫蘇があります。青紫蘇は、βカロチンが豊富と聞けば、夏に食べない手はありません。
シソも生姜と同じように性味は辛温です。
温める作用で、老人の風邪に。
香りもあることから気を巡らして、悪心嘔吐に。
解毒作用で、魚介類中毒にも有効です。
肉や魚に巻いて、お弁当のおかずに使っています。
菜園ではトマト、なす、キュウリもなり始めました。
これらの夏野菜はいずれも、性味が寒(涼)です。
夏の太陽をいっぱいに浴びた身体に、その熱を籠もらせることのないように、寒の食材を利用しましょう。
ただし、冷やす作用があるということは、もともと冷え性の人や、お腹がゆるい人は控えめに。
ましてや、妊婦さんはいうまでもないことは、「秋茄子は嫁に食わすな」で有名です。
養生は、人それぞれに違うのです。
画一的にこれが万人に正解!ということは、どんなことにも通用しないことを覚えておきましょう。
自分のことは、自分で感じて、自分で決める。
自然が教える原則は、十人十色です。
湿気の多い梅雨の季節を乗り切るために、自然が準備してくれている食材を大いに使いましょう。