こころあそびの記

日常に小さな感動を

132番扉

 

 ミニトマトが鈴なりです。

 わんこにせがまれて、庭に出る度に「一つだけやよ~」と取ってやります。一番たくさん食べているのが彼であることは、家人に内緒です。

 

 

 朝一番で宮崎駿監督の話題作、『君たちはどう生きるのか』を観にいってきました。

 

 なんでも、公開4日間で観客動員数135万人、興行収入は21.4億円を超えたといいます。

 私は、宮崎監督の大ファンではないのですが、おん年82歳の彼の最終作品であり集大成といわれると、観ないわけにはいきません。

 その上、産経抄の筆者が「監督とプロデューサーの術中に、まんまとはまって泣いてしまった」という宣伝記事に心動かされて、その記事の術中にはまってしまった私です。

 

 

 ネタバレは慎むことにして。

 観た人それぞれに、心に残るところが違うように作られていると言えばよろしいのでしょうか。

 

 中哲を学ぶ者としての視点は、私達はどこから生まれてきて、どこへ行こうとするかにあります。

 それは、生命の尊さや無常性であります。

 また、出産を経験した者としては、子どもが生まれてくる道筋が興味深いことでした。特に、あの世からこちらに来るときに、持ってきたお守り。

 一人一人にきっと持たされてるはずのお守りを、一瞬でしたが、描いておられました。そこに、宮崎駿監督の死生観が見えた気がしました。

 

 

 米津玄師さんのテーマソング『地球儀』が、この映画のテーマを上手に表現していました。

 

 「行っておいでと背中を撫でる声を聞いたあの日」生まれてきて、

 「この道の行く先に誰かが待ってる 光さす夢を見る」毎日、そうやって生きる。

 「この道が続くのは続けと願ったから また出会う夢を見る」。そうして、人生は続いていく。

 

 宮崎駿監督の思いと、米津玄師さんの歌は、ぴったりと重なり合っています。

 

 良くも悪くも評価の分かれる映画ですが、この映画はストーリー展開に主眼があるのではなく、一人一人に考えてもらいたいと制作者は望んでいるのではないでしょうか。

 意味が深いのは、監督も米津さんも、人生を真剣に生きてこられたからだと思います。

 喜びも悲しみも乗り越えて、ひかり目指して生きていきましょう。と。