こころあそびの記

日常に小さな感動を

『キングダム3運命の炎』を観て

 

 野畑図書館の前の植え込みで、不思議な現象を見つけました。

 ムラサキカタバミが大きな葉を、どの子もこの子もなべて閉じているのです。

 片葉身と書くくらいですから、葉っぱが閉じることは知っていましたが、お昼真っ盛りの時間帯に閉じていたことを奇異に思いました。

 調べてみると、葉っぱを日光から守り、水分の蒸発を防いでいるとか。

 熱中症アラートを他から教えてくれるもらわなくても、感知できるシステムに感心してしまいました。

 

 

 きのう、孫の一人が「キングダム観にいきたいなぁ」と言ってきました。

 「僕は、『1』も、『2』も、オババと一緒に行った」、なんてすり寄られると、連れて行かないわけにはまいりません。騙されていてもいいか。「そうやったかな」と、いそいそ映画館の予約を取って観に行ってきました。

 

 

 主人公「信」と、彼が憧れる大将軍である「王騎将軍」。

 この2人を演じた山崎賢人さんと、大沢たかおさんが、今朝のテレビに出演されていました。

 この映画の成功の立役者はこの二人であることは、疑いようがありません。

 特に大沢たかおさんの改造された肉体と話し方は、キングダムをキングダムならしめる要です。

 その彼が、朝から、隣の「信」こと山崎賢人さんを泣かしています。

 その涙のわけは何?

 「正真正銘の『信』になってきたね」。

 大沢さんのコメントに、涙を拭って顔を上げられない山崎さんには、激しい戦闘シーンに耐えたことや、憧れた大将軍との交流が思い出されたのでしょうか。

 素晴らしいお仕事をされたと、心から拍手を贈りたいと思いました。

 

 

 原泰久さん原作の『キングダム』は、ただいま、大ヒット上映中です。

 時代小説がマンネリ化している中にあって、なぜ、中国を舞台に作品を書いてみようと思われたのでしょう。

 しかも、春秋戦国時代という紀元前の話です。

 中華の時代と場所と登場人物を借りて作ってあります。

 でも、嘘はなくて、史実も盛り込まれているところに臨場感も感じられるところが、うまい!です。

 

 なんでも、聞くところによりますと、「信」は「李信」だと云われています。

 中国は姓が子孫までずっと続きますから、例えば、孔さんなら孔子から数えて何代目となるそうです。

 つまり、李家の先祖が「李信」ということになります。

 子孫に李広、その孫に李陵という名前が見られます。

 

 まったくの推測ですが、原泰久さんが、星の数ほどいるキャラクターの中から、「信」をピックアップしたわけは、とても日本人的な理由が隠されているのではないでしょうか。

 というのは、「李陵」という名前です。

 中島敦さんの最高傑作である『李陵』が頭を掠めます。

 漫画の原作の源流は、そんなところにヒントがあったのかと、一人ごちています。

 

 『キングダム3運命の炎』。

 おすすめの映画です。