こころあそびの記

日常に小さな感動を

台風一過の散歩

 

 あわや直撃かと危ぶまれた台風が、大阪を横目に過ぎて行きました。

 こういうのを台風さんの気まぐれというのでしょうか。鳥取県など大阪から離れた日本海側に大雨の被害をもたらしたようです。

 こんなことがあるたびに思うのは、誰のせいでもないと、黙々と後始末に精を出される人々の忍耐強さです。

 外国人が日本に来て感心する美徳の数々は、こういう積み重ねでできたのではないか、災害国日本だから培われたのではないかと思っています。

 お疲れがでませんよう、無理なさいませんよう、一日も早く元の生活に戻られますようにとお祈りしています。

 

 

 きのう一日の缶詰め状態で、体はすっかり堅くなってしまいました。

 さぁ、散歩、散歩。と開放感いっぱいで、わんこと一緒に出かけました。

 大きなお屋敷のお蔵に「水」の字。防火とわかっていても、今日ばかりは大水から守って下さってありがとうという気持ちで見上げたことです。

 

 

 箕面の山から流れてくる千里川の水量は、ふだんより少し多め。災害に至らずにありがたいことでした。

 

 

 報恩寺さんの親鸞聖人像。お寺の掲示板に「盂蘭盆会は10時のみです」とありました。

 そういえば、今日はお盆の最終日です。送り火を焚いて、ご先祖さまをあの世にお送りする日。

 宗派によっておまつりの仕方は違います。親鸞聖人は大衆の救われを願われたので、どの宗派よりも質素です。

 赤い蝋燭を立てるくらいで、お盆行事だからといって特別にすべきこともありません。

 ですから、他宗派の方が「迎え火」や「送り火」をなさるのを興味深く見させてもらっています。

 京都では今晩、『五山の送り火』が、決行されます。良かった。昨日でなくて。一日違いで大違い。

 去年、ドキュメンタリー番組を観て、ご準備の大変さを知りました。ですから、台風一過の好天であることに安堵されて、準備に弾みがついておられることと拝察しています。

 

 

 「久しぶりやから、きついわ」と、根を上げたのはわんこの方が先でした。こういう動物勘にはたびたび感心させられます。

 こうなる少し前、ハーハー言い出したので、近くの公園で一服させたのです。そのときは、座りもしなかったくせに、この「應化地蔵尊」の前まで来たら、土の湿り気と冷たさを瞬時に嗅ぎ取って、すぐに腹這いになって体を冷やし始めました。

 ご覧になっていたお地蔵さんは笑っておられたでしょうか。子どもでなくて、お犬様で申し訳ございません。お許し下さい。

 

 台風が残した風に吹かれて気持ちのいい散歩ができました。

 小さい秋を探して明日も歩きたいです。