こころあそびの記

日常に小さな感動を

京セラドーム大阪で

 

 行ってきました。京セラドーム大阪。

 二回目の観戦だったとはいえ、いまだドームの構造が飲み込めなくて、何度かガードマンさんや受付の女性に尋ねることになりました。

 おかげでドームに行っただけなのに8000歩。運動不足を解消してきました。

 

 

 そんな感想を持つ人が多いのか、今朝のニュースで”京セラドーム大阪“は「行ってみたいドーム」のうち、最下位と報道されていました。さもありなんです。

 ちなみに1位は、”エスコンフィールドHOKKAIDO“です。今年開場したばかりの全天候型ドームで、温泉施設まであるそうですから、そりゃ誰でも行きたくなりますよね。

 それに引き換え、大阪ドームは1997年開場ですから、今年26年目で、老朽化が進んでいます。当時、もてはやされた奇抜な外観も、よく見たらよれよれです。

 集客を期待して集まった商業施設も順次撤退の憂き目にあい、イベントのない日は周辺に閑古鳥が鳴いています。

 大阪っ子としては、さびしいけれど、そもそも、人が集まりにくい所に作るならそれに見合う工夫がいるはずです。

 そんなことを思うにつけ、大阪万博、大丈夫かしらと老婆心。

 商都、大阪が泣いてます。

 

 

 グルグルと場内を歩き回ったせいで、こんなものを見つけたのは儲けものでした。

 1997/4/3の日付とダイアナ・ロスのサインと手形です。

 このドームの開場は3/1ですから、開場記念公演があったのですね。

 何を隠そう。ダイアナ・ロスの声が好きで、よくシャドーイングして歌ったものです。

 こんなところで会えたことをいいことに、ひとりカラオケに行ってみたくなりました。

 そんなことを娘に言ったら、今は、携帯で採点までしてくれるサイトがあるよ、と教えられました。

 でも、このぼろ家で、声を張り上げるわけにもいきませんでしょ。どなたかいい方法をご存知ないでしょうか。

 

 本題。

 宮城君の先発。先月はボロ負けしたので、なんとか勝たしてあげたくて。なんの関係ないけれど、座席もグレードアップして臨みました。

 

 

 近頃、なにかと大阪人気質の地盤低下が話題にされますが、昨日は、そんな風評を跳ね返すようなちょっといい光景が見られました。

 前列の席に、試合中盤になって仕事帰りの男性陣が着席されました。

 聞き耳をたてなくても、話し声が聞こえてきます。

 その中の一人が開口一番、「あの広告でいくらくらいするんやろ」と、大型ビジョンを指差したことから、その関係のお仕事されていることが察せられました。

 私がほっこりしたのは、その彼が、場内を巡回しているビールの売り子さんを呼び止めて注文したときのことです。

 彼らの席は並びの中央部分ですから、ビールは端に座った人から、順繰りに送らざるをえません。

 端の人から誰一人として嫌な顔をしないで、小学生とおぼしき子まで小さな手で上手に持つんです。ぎゅっと掴んだら、泡がこぼれそうなのに。

 無事に、注文した男性に到着したあと、さぁ、支払いです。

 百円玉をいくつか出せば済むでしょうに、いまどきの若者は、なんと、携帯で支払いを依頼したのです。

 その携帯が、再び、子どもの手から次々と売り子さんまで渡って。決済完了したらまた、逆に手渡しされて戻ってきました。

 その間、みんな笑顔なんです。

 こんなに安全で善意にあふれた国があるでしょうか。

 

 宮城君がイニング終了のたびに、外野手が全員帰ってくるまで、ベンチ前で待つ、いつものスタイルを見届けられたことに、ほっこり。

 それと同じくらいに、件の男性と脇に座っていた人々との心温まる交流が心に残ました。

 たまには、出かけてみるもんだと思いました。