こころあそびの記

日常に小さな感動を

たからもの

 

 テレビで天気予報士が、「先ほどまで虹がみられました」と話されたのを聞いて、見逃したことにがっかりした朝でした。

 虹に限らず、その人だけが出会えることには、きっと意味があるのだと近頃は思うようになりました。

 それが、年を経てきた者の学習成果でありましょう。

 

 さて、虹が現れる条件には、太陽光線が差し込む角度が必須です。

 秋分まで1ヶ月の現在、春でいえば4月頃と同じ太陽高度と思われます。

 夏至には78度で差し込んだ太陽光は、60数度近くまで低くなっています。

 にもかかわらず、相変わらずの暑さが続いています。その原因は、気流や地球上の事情が絡んでいるといわれています。

 しかし我が身を離れて考えれば、この熱は、収穫の最終段階をより完全するためのものともいえます。がんばっている植物に思いを至せば、あとわずかになった暑さも我慢できそうに思えます。

 

 

 YouTubeで、外国人に日本の印象を尋ねる番組を、英語の聞き取りがてら見ることがあります。

 日本人にとっては、この百年の変化は好ましいものではなく、江戸時代に日本にやってきた人が驚いた美点はすっかり衰退したように思って情けない思いがないでもありません。

 ところが、どっこい、今、訪日する外国人に日本のどこに一番驚きましたかと質問すると、口を揃えたように「礼儀正しい」と言います。

 にわかには、信じられないことです。番組がそう言わせる操作をしているのかもしれないと疑ってみたくなるほどです。

 それでも、インタビューアーが、どんなところでそう感じるのですか?と訊くと、同じシチュエーションが出てきます。

 

 電車が定刻で運行されている。

 乗り、降りが整然と行われている。

 車内が静かで、うるさく会話しない。

 コンビニでも、ていねいな対応をしてくれる。

 一見、冷たそうだけど、困った時には面倒見がいい。

 町がきれい。ゴミや糞尿が落ちていない。

 食べ物はベリーナイス。

 味はあっさりしているけれど深い味わいがある。

 英語が話せなくても、なんとか説明しようと努力してくれる。

 

 これらを聞くと、江戸時代の人に、まだ日本は捨てたものではないとお知らせしたい気持ちになります。

 つまり、だめだめキャンペーンを張りたい一部の人に、一般人が騙されているだけなのかもしれません。

 どうしても、日本を貶めたいという勢力が、国を弄んでいます。

 そんな人達に申し上げたい。

 日本は腐っても鯛です!と。

 

 

 先祖がこの国土で培った日本人気質は、確実に現代まで受け継がれています。

 踏みちゃんこにされて影も形も見えなくなったと思われても、残っているのは奇跡であり、底力です。

 柔ではない。それが、伝統です。

 これからも、ずっと生き延びて、世界中の人に一目置かれる国であり続けてほしいと切に願っています。