こころあそびの記

日常に小さな感動を

この感動を忘れないで下さい

 

 大阪北部がこんなに赤くなるのは珍しいことです。

 早く過ぎてくれないかと、しばらく身を縮めて隠れていましたら、怖かった雷鳴が止んで、もとの静けさに戻りました。

 身だけでなく心の緊張もほどけてやれやれです。

 雷様がお空の上でボーリングしている。そんな誰かの表現にぴったりの午後でした。

 

 火野正平さんが、富山県入善町に流れる黒部川を見ながら、「すっげーな。こんなたくさんの水が流れたら海が溢れるぞ」と走り抜けられました。

 うまい!こういう感性がほしい。

 大量の雪解け水です。と解説するのではなく、子どもの感想ともとれる詩的なコメント。

 人気番組の理由ですね。

 

 

 なんだかんだと屁理屈つける賢さの発動も、時と場合によりけりです。

 素直な心もたまには、いいもんです。というのが、昨日の高校野球勝戦の感想です。

 

 清原和博さんのことです。

 次男、勝児君の試合を5試合ともバックネット裏で観戦したそうです。

 そこからして癇癪持ちの人には許せないらしくて、なんで特別扱いなの!とお怒り。

 あれだけ高校野球に貢献した選手なんだから、それくらいの厚遇は許してあげてもいいではありませんか。

 

 勝児君は、9回表、代打でトップバッターとして打席に立ちました。

 お父さんの涙を見て、もらい泣きしそうでした。

 その後で発表された談話の抜粋を読んで、また涙涙。

 

 「勝児は優勝の喜びも、スタメンで出られなかった悔しさもあるでしょう。しばらくゆっくり高校生らしい生活を送った後、どこかで線を引いて次の目標に向かってほしい。

 私の息子であり、注目され、試合に出なくても取材を毎日受けるなど、苦しさもあったと思います。しかし、きちんと対応して立派に育ってくれたなと感じました。褒めてあげたいです。」

 

 

 「甲子園は清原のためにあるのか」といわしめた清原和博さん。

 今回、息子さんが同じ舞台に立ちました。

 親子二代で高校野球全国制覇は、史上初らしいです。

 どうか、清原さん自身が、この涙を忘れることなく、立派に生きていこうとする息子さんの足を引っ張ることなく、更生に努めてほしいというのが、昨日の試合を見たすべての人の願いではないでしょうか。

 子どもさんがおられて良かった。

 本当にそう思いました。

 その影には、今日まで二人の息子さんに寄り添ってきた奥様の力があります。

 スタープレイヤーからの転落劇。その一部始終に付き合い、男子二人を育てつつ、ぐれた旦那のこともちら見しながら、ここまでやってこられました。

 

 彼女のお母様の言葉に感激いたしました。

 「人それぞれ必ず尊敬できるところがあるから、それを見つけられる人になりなさい」と、仰ったそうです。

 事件のあとだったのか、それともそういう風に育てられたのかは不明です。

 しかし、お母様がしっかり芯を持っておられたことは確かです。

 だから、結果が出たのですね。

 まだ、予断は許されません。

 でも、ネットには、清原はやっぱりなんか持ってる。清原は孤独ではない。清原は優しい人。野球界に恩返しに帰ってきて。などなど溢れています。

 潰れそうになった人を誰がこんなに応援してくれるでしょうか。

 やはり、清原和博は幸せの星のもとに生まれた人です。

 最後に。奥様のことも褒めてあげてくださいね。