こころあそびの記

日常に小さな感動を

「当たり前」に気づく

 

 昨晩のスーパーブルームーンは、ご覧になりましたか?

 遠地点にあった2月の満月より30%も明るかったのは、5万kmほど近い近地点を通過中だったからだそうです。

 月の出は午後7時。うちは東側に丘があるので、空に月が姿を現すのは、それから二時間ほど後になります。

 眠気をこらえて、空を確認するために何度も出たり入ったりして、やっと雲間に見えたお月さま。

 満たされた思いで就寝いたしました。

 

 

 目覚まし時計が鳴るまで熟睡して、起き出して見た空は曙色でした。

 

 

 朝の用事を済ませて、お気に入りの聖天展望台に独り上りました。

 青空に描かれた波々が、よく来たねと言ってくれるだけで、元気がチャージできる私のパワースポットです。

 今日は、大阪湾を航行する大きなタンカーや淡路島はもちろんのこと、遠く四国の島影まで見えたんですよ。

 うれしくて、何回も深呼吸してしまいました。

 

 

 28日に一度、満月が巡ってくることも、夜明けには美しくエネルギッシュなドラマが見られることも、足下にドングリが落ちてくることも、当たり前と思ってしまえば、見過ごすことばかりです。

 

 境野勝悟さんが、東北大震災を経験した子どもたちに向けて講演された内容が『日本のこころの教育』という本に纏められています。

 この講演を聴いた子どもたちは、「当たり前と思っていることは、当たり前ではなかった」ことに気がつきました。

 震災で一変した家族や環境。

 人生経験の浅い若人だからこその気づきだったことでしょう

 

 

 反対に、ある程度年をとり、豊かな経験から掴める「すべては当たり前だった」という到達点もあります。

 

 遺伝子配列がすべてを支配するかといえば、そうではない。一卵性双生児であっても、全く別の人格になる。と、話された福岡伸一さん。

 どんなに緻密な楽譜があっても、演奏者によって、あるいは聴き手の受け止め方によって音楽は変わる、と気づいた坂本龍一さん。

 

 

 お二方とも、人智を超えた何ものかの支配を感じるところまで到達されました。それは、「当たり前」という境地だとおっしゃっています。

 それは、たくさん勉強をされた結果だから信憑性があります。この先で待つものは、無限の当たり前ではないかと。それは、科学では今のところ解き明かせない当たり前です。

 そのことに気づかせるために、自然は多くを用意しています。

 自然が素晴らしいのは、誰彼の隔てなく万人に惜しみなく提供しようとするところです。

 受け取る、受け取らないは、あんたの力量次第だよ。

 受け取らない手はありません。