こころあそびの記

日常に小さな感動を

朝にふさわしい彼

 

 「近頃、夕空がきれいやね」と娘に言われて、そうだ、行ってみよう!と大相撲中継を止めて、アリーナまで行ってみました。

 「街の灯りチラチラ♪~

  あれは何をささやく♪~」

 空が暗くなるに従って、街の明かりが灯り始めます。伊丹空港では誘導灯を目がけて飛行機が降りてきます。

 しだいに暗くなる空とは反対に、人の生活があることを示す確かな証明が一つ二つと輝き出します。灯りが心を励ましてくれる時間帯です。

 

 

 空を見上げたら三日月が浮かんでいました。月齢浅い眉月です。

 

 

 昼間は萎んだように見えるオシロイバナが赤、白、黄色と咲いていました。あなたは夜行性?

 そう思って調べてみたら、”4時の花”といって夕方から次の日の午前中にかけて咲くとのこと。

 そんなことも知らずに、子供の頃は、この花の黒い実で蟻釣りをしたものです。

 そんな身近な植物のことに関心を持つようになったのも、『らんまん』のおかげです。

 

 

 今朝は、NHKおはよう日本』の中で、辻井伸行さんがプロデュースされた「富士山河口湖ピアノフェスティバル」が特集されました。

 追っかけファンではない、ただのサポーターですから、こんなピアノフェスティバルが開催されたことも知りませんでした。

 富士山の神様が彼にどんなインスピレーションを授けたことでしょう。

 湖畔の林の中で演奏される姿からは、「喜び」しか感じられませんでした。

 ベートーベンを尊敬する辻井さんですが、「苦しみの中から喜びが生まれる」と言い残したベートーベンの“喜び”を21世紀型にすれば、こんなに軽やかに明るくなるのかと思ったほどでした。

 

 木立を抜ける風の音。

 はるかに聳える富士の山。

 富士山麓の環境が、彼の“心の眼“をもっと大きく開眼させたのは間違いありません。

 

 

 彼のスペシャルさは、こんな鈍感な私にさえ画面から伝わってきました。

 「美しさ」。それは、人の世で一番望まれるものだということを伝道する役目を負った人です。