こころあそびの記

日常に小さな感動を

ちょい悪ばばあ

 

 日没が5:30と聞いて、今なら間に合う!とばかり、わんこと一緒に出発しました。

 ピアノのレッスンを終えた孫と合流して、丘の上へ夕日を見に行きました。

 今まさに山陰に隠れる寸前の太陽が、最後の輝きをあたり一面に振りまいているところでした。

 

 「ギンギンギラギラ夕日が沈む

 ギンギンギラギラ日が沈む

 まっかっかっか空の色

 みんなのお顔もまっかっかっか

 ギンギンギラギラ日が沈む♪」

 

 

 すっかり童心に戻って、悪ガキならぬ、ちょい悪ばばあになってみました。

 もともと、いたずら好きで、思いついたら即実行してしまう質なのです。

 ヨッコイショ!とわんこを自転車の後ろカゴに載せてみました。

 以前に飼っていた犬は嫌がって直ぐに飛び降りたのに、この子はそんな勇気はなくて、じっと真剣に前を見ています。何をされているのか分からない様子で。

 

 

 そのかわいらしさに、やられながら帰ってきた。それだけです。

 心を緩めてくれたささやかな出来事でした。

 

 今朝の『朝の詩』の7歳のお嬢ちゃんの三行詩が、子どもの心が今も変わっていないことを詠っていてうれしく思いました。

 

 「あおいそら

 しろいくも

 うるさいおとうと」

 

 

 今月号の『致知』。

 「幸福の条件」という特集なので、健康に関する記事が多く載っています。

 一番に取り上げたいのは、早稲田大学名誉教授、池田雅之先生へのインタビュー記事です。

 

 大学退職後に胃癌が見つかり、その後の経験を、「がんが教えてくれた私の幸福の条件」という題名で記されています。

 

 西洋医学の治療の後、漢方医を頼られます。

 そこで、初めて、体の仕組みを教えられることになります。いのちに対する考え方の方向が変わっていきます。

 

 

 西洋医学が、悪い箇所をピンポイントで治療するのに対して、東洋医学では体全体に起こることを、長い経験から捉えます。

 例えば、池田雅之先生の場合、心の問題を指摘されて驚かれます。なんで?僕は胃が悪いのに?

 大自然が循環しているように、小宇宙とたとえられる一個人の体も循環していることをお知りになります。

 ピンポイントだけが悪いはずがない。それは、今、多くの人が知らない事実です。

 

 池田先生は気づかれました。

 日本人は自然を崇め共生してきた民族だから、人間が自然の一部であることは、大昔から受け入れてきたこと。

 それを、西洋医学一辺倒で忘れてしまっていたことに気づかれました。

 

 数値や画像に追いつめられそうになった時、どうか、古来の人間の大らかな自然とのつきあい方を思い出して下さい。

 それに気づくことは、たとえ死に至ったとしても、安らかな最期に繋がると思っています。

 医療難民。それは、医療の問題だけではなく、心の問題だといつも思っています。