今日は孫娘の小学校最後の音楽会でした。
緊張した面もちで入場してきた子が、お母さんを見つけて手を振る仕草がかわいくて。小学生ならこうでなくっちゃと思ったことでした。
彼は、中国を舞台にした小説を書きたがっていたと娘さんが語っておられます。
『大地の子』を書いた山崎豊子さんの視点ではなく、中国の歴史に登場する人物に焦点を合わせたものです。
中島敦さんが『李陵』や『盈虚』を書いたように、中国の歴史の中には、小説にしたくなるような人物が目白押しです。
彼らは、一様に薄くないのです。濃いキャラクターというか、中国というシチュエーションがそうさせるところがあります。
中国四千年の歴史といいますが、その中身は多民族が入れ替わり立ち替わりした征服王朝の歴史です。
民族ごとに持つ文化風習も違いますから、そこがまた、映像仕立てにしても魅せられることろです。
実は、『大宋宮詞~愛と策謀の宮廷絵巻』61話をようやく見終わったところです。
ほんと、中国ドラマは覚悟を決めてかからないと、最後まで観られません。長すぎます。
ですが、観てしまうのです。
話が濃い。
飽きさせないキャラクター揃いなんです。
このお話もえぐいです。
太子が平民の女性に一目惚れするところから始まります。
北方民族の来襲や天災などを越えても、二人の愛は続きます。
太子が第三代皇帝真宗に、女性が皇后になるまでの波瀾万丈の過程が描かれるのです。
そして、ついには、侍女が生んだ子どもを取り上げて、自分たちの子どもにしてしまう残酷な、ストーリーで引っ張ります。
しかし、これが伝えられる歴史上の事実というのですから、さすが大国です。
我々のような単一民族の国家内の争いとは、桁違いの波乱が内包されているから、どこを切り出しても面白い。
小説家の創作意欲をそそるのは、そこにあるのでしょう。
葉室麟さんの『不疑』。読んでみたい小説です。