こころあそびの記

日常に小さな感動を

自然と人間

 

 わんことは賢い動物で、「明日、散歩行こう」と、軽く言ったつもりの約束を、きっちり覚えています。

 私が起きた音をいち早くキャッチして、そわそわし出します。

 そんな様子に知らんぷりもできなくて、約束通り、わんこと一緒に散歩に行ってきました。

 

 

 今日の雲はとくべつきれいでした。

 来て良かった。いいもの見せてもらったと心から思いました。

 自然は二度と同じ情景を現すことはありません。しかも、無料でこの感動に浸れるときています。

 恩恵に与らない手はありません。

 

 

 本日のベストショットです。

 隣の畑から焚き火の煙が流れてきた一瞬に出来た光の矢です。

 太陽の高度、煙の量、風の流れ。

 すべての条件が合致した瞬間に現れる光の帯に出会えて感激したことです。

 

 

 建築家、伊東豊雄さんが、滋賀県膳所高校でお話されたようで、聴いた生徒の感想がいくつかネットに出ていました。

 「自分の本当の心から出た思いを他人に届ける、という言葉に感銘を受けました」

 「建築は想像したものを見える形に変えると同時に、見えない力もそこに含ませることを知って感動した」

 「混沌とした自然の中に人間にしかできない秩序を作り出したときに建築が生まれたということばに感銘をうけた」

 どの子の感想も、伊東さんの思惑を正しく理解していたことに感心しました。

 

 

 伊東さんは、技術が自然を超えられるという近代主義的な考えに疑問をもたれた建築家です。

 田舎に行くとほっとするという感覚は誰しもが持つものです。

 自然と繋がっていることを意識していた昔の建物。

 縁側で外とつながり障子で気配を感じる暮らしは、煩わしさよりも人間らしさに関わるものとして、見直されつつあります。

 

 

 人と自然の関係。それは、「人間は大自然の一員である」という東洋医学の原点です。

 人は、人を含む自然と親しくすることで、安らぎを得ることができます。ひいては、健康に生きるために欠かせないものであります。

 これらを、何千年も昔から唱え続けた先人の卓越した慧眼に感服することしきりです。