こころあそびの記

日常に小さな感動を

病は気から

 

 今日のNHKラジオ『ひるのいこい』で、「葉牡丹とポインセチアを飾る母 これで玄関いつもの暮れに」と、投稿された方がありました。

 いつもの散歩道に面した広い畑に植わっていた葉牡丹の出荷が終わりました。お正月が近づいたしるしです。

 あの葉牡丹たちも、どこかの玄関を飾っているかもしれませんね。

 『ひるのいこい』(作曲、古関裕而)のメロディーに安らぎを感じるのは、この番組が1952年から始まったからでしょうか。

 当時はラジオしかなかったわけで、このメロディーが子守唄だったであろう私は懐かしさを禁じ得ません。

 なくなって欲しくない番組です。

 

 

 またまた、テレビドラマの話で恐縮ですが、先日終了したBS『赤ひげ』は、ご覧になりましたでしょうか。

 赤ひげ役は船越英一郎さんでした。失礼ながら、彼がお父様を越える日が来るとは思いもよりませんでした。

 円熟味を醸し出して医者役を演じておられたことに少なからず驚きました。

 先行する1965年の映画『赤ひげ』は黒沢明監督、三船敏郎主演の名画ですから、プレッシャーもあったでしょうが、挑戦する甲斐のある作品だったと思われます。

 その後、初の舞台化で大阪の新歌舞伎座に出演された由、観損ねたのは残念なことでした。

 

 

 『赤ひげ』は山本周五郎の『赤ひげ診療譚』が原作です。

 江戸幕府が設置した小石川養生所を舞台に、赤ひげ医師と弟子や貧しい市井の人々との交流が描かれています。

 赤ひげの診療が、そろばん度外視で行われたというのは、山本周五郎の理想だったのでしょうか。

 それとも、江戸ではそれほど人情が厚かったということなのでしょうか。

 

 

 ところで、「半商半医」という言葉があります。

 医療といえど、半分は商売だということです。

 世知辛い世の中になった現代では、江戸の人々のように家で取れたお芋や菜っぱで支払うことはできなくなりました。

 でも大丈夫。今の医者は保険制度に守られていますから、報酬の心配はしなくてよいのです。が。

 

 今の医療制度の問題点は、医療を提供する医師側ではなく、患者側に甘えはないかということです。

 患者の甘えをを助長させる原因の一つに、医者も荷担しているとしか思えないコマーシャルがあります。

 その言葉に乗って、受診するのは権利とばかり医療に頼ろうとするのはどうなのでしょう。

 

 このへんで患者側の意識改革が要るよと、近頃の高齢者向けのベストセラーが訴えています。

 若い人に負担を押しつけている高齢者の医療費問題。解決できるかどうかは、各個人の健康の捉え方にかかっています。

 確かに、医療や薬が必要である病気もあります。そういう本当の病人を除いた上で、その他大勢は半病人の自認の束縛を解いてみてはいかがでしょう。

 病は気から。