こころあそびの記

日常に小さな感動を

小寒

 

 見るたびに感動があります。昨日も今日も同じように太陽が上ってくるのに、一日として同じ光景はありません。

 今日は今日の唯一無二の美しさと荘厳さを持つ夜明けです。

 

 

 今日は小寒。寒の入りです。

 冬至から半月が経ちました。一陽来復で、昼間の長さは日に日に長くなっているのに、寒さは本格的になる時期です。

 寒いはずが、今年は昨年末来、季節はずれの温かさが続いていましたから、穏やかなお正月を期待したところでしたのに。

 昔の人は「季節はずれの温かさは気をつけた方がいい」と申し送りをしていました。

 その通りになったことは、昔からの経験則が悲しいかな確かであった証拠です。

 

 

 本来、今年のお正月は「甲子、一粒万倍、陽遁」が重なるすばらしい年明けになるはずでした。

 ただ、干支の甲辰がどちらも震を表すものであることから、暦の研究家は懸念を持ってみていたようです。

 その通りになってしまった現状を後世に伝えねばなりません。

 その伝言に、「それでも皆は助け合って再び立ち上がった」という文言を入れられるように、励ましあっていかねばと思います。

 

 

 そんな悲しいニュースの中で、ほっとするのは若者の力です。

 帰省していた若者がいたから、おばあちゃんを背負って逃げられた。

 今の若者、Z世代やα世代と呼ばれる人たちは、誰かに教わったわけではないのに道理をよく理解しています。

 教えられなくても身についている。それがこの国の歴史から湧き出したものかもしれません。

 熊本の阿蘇にある幣立神宮の名誉宮司、春木伸哉さんが、今月号の『致知』で書いておられます。

 「明るい兆しがあります。若者たちの意識が変わり始めたことです。しっかりした志を立て、他に責任転嫁することなく自らの意志で道を拓こうとする若者が確実に増えてきました」と、その代表に大谷将平選手や藤井聡太棋士をあげられています。

 

 どこどこにパワースポットを探しに行くのではなく、自らの内側から湧き出るパワーを拠り所にできる生き方は、周りの人々を元気づけます。

 婆さんの笑顔ではなんのお役にも立たないかもしれませんが、今日もいい日になりそうと思うことで貢献していけたらと念じています。