こころあそびの記

日常に小さな感動を

すばる

 

 夜明け前、テレビに映ったお月さまと金星があまりに美しくて、直ぐにでも飛び出したいところをグッと我慢してお弁当作りを優先しました。

 しばらくの後、娘たちのパンを焼く段になって、きのう買い忘れていたことに気づき、どうする?買いに行く?あきらめる?と逡巡。

 結局、空を見たさに買いに行く決断をして外に出ましたら、薄明の空に浮かぶ明けの明星と極細の弓月に出会うことができました。

 夢見るような幸せな朝でした。

 

 

 さて、ブログはどうしても朝の話から書き始めてしまうので、夜の出来事は飛ばしてしまいがちです。なので、今日はきのうの夜の話をいたします。

 

 今、日が沈んだ後の夜空は冬の星座に埋め尽くされて、賑やかなことこの上ありません。一年中で一番見応えのある夜空は”今“でしょ。

 その際、私の視力を助けて別世界を見せてくれるのが双眼鏡です。

 ついこないだも、冬の大三角とオリオン座だけに酔いしれていたところ、双眼鏡を持ち出して覗いてみたらびっくり。オリオンが腕を伸ばした先にあって赤く光るおうし座のアルデバランの方向に双眼鏡を構えましたら、無数の星が目に飛び込んできたのです。この大阪でもこんなに星が見えることに驚きました。夜空は平板ではなくて、奥深い宇宙と繋がっているという当たり前のことに感じ入ったことです。

 

 

 さらに、そのアルデバランを取り囲むのがヒアデス星団で、その近くにあるのがプレアデス星団。日本では昴(すばる)と呼ばれ親しまれている星々です。

 わたしの目には、ぼーっとしか見えないのですが、古くは清少納言宮沢賢治も魅せられた星です。近くは谷村新司さんの『昴』が耳に残っています。

 

 昨晩、見上げていた時に、たまたま外出先から帰った娘にいくつ見えるか尋ねたら、「6個!」というではありませんか。

 「すごいやん!そんなに見えるんや」と言ったら、

 「コンタクトレンズやん」

 「あっそうやった(笑)」

 

 是非、夜空をご堪能下さい。

 かの地であの人も見上げているかもしれません。その思いが夜空でつながればと念じます。

 

 永六輔さんの『見上げてごらん夜の星を』の歌詞には、むずかしさはありません。みんなで共有できる優しさがあります。

 そして、坂本九さんが歌ったから、その詞が生き続けていることには、なにか空の神さまの計らいがあるのかもしれないと思うのは私だけでしょうか。

 

 「 見上げてごらん夜の星を

          永六輔作詞

  

  見上げてごらん夜の星を

  小さな星の小さな光が

  ささやかな幸せをうたってる

 

  見上げてごらん夜の星を

  僕らのように名もない星が

  ささやかな幸せを祈ってる 」