こころあそびの記

日常に小さな感動を

朝の遠足

 

 冬枯れの大阪城公園。朝早くから沢山の観光客とすれ違いました。聞こえてくる言葉はほとんど韓国語です。今からどこを巡られるのかな。多分、大阪を出て、京都や奈良へ向かわれるのでしょう。

 

 

 今朝のお堀には、キンクロハジロと、

 

 

 オオバンがいました。

 どちらも、冷たい水の中に潜るのが上手でした。

 

 

 近ごろ、雀が群れているところによく出くわします。かわいらしさは昔話に出てくるとおり。人間に一番身近かな鳥です。

 

 

 難波宮跡です。私が小学生のころ、この一帯にはつぶれかけのフェンスが張り巡らされていて、怖い所だと思っていました。

 それが由緒ある場所だと、なぜ教わらなかったのでしょう。歴史の解釈は、時代と共に変わるもの。そんなことは、このへんで終わりにしなくては、国の形が歪みそうです。

 

 

 公園内で、ゆっくりしすぎたためにバスに乗り遅れてしまいました。

 まっ、いいか。さらに、上六まで歩くことに。

 

 

 タニマチ発祥の寺町はお寺さんがいっぱいです。

 お寺の前の掲示板を覗く趣味があるのですが、今日は天性寺さんのこの掲示に合点しました。

 

 「人は出会いによって育てられ

   別れによって深まる」

 

 深い言葉です。

 

 

 谷町四丁目にある川口軒さんに寄りました。

 「樫尾先生がおけいこにつかっておられたお茶下さい」

 入って直ぐにそんなこと言い出す客に、怪訝な視線を向けていた店のご主人と息子と思しき二人。

 「懐かしい名前ですなぁ」

 ようやく、お顔がほぐれてまいりました。

 

 樫尾先生は石橋で長い間、お茶とお花を教授されていました。

 若くして、子育て最中にご主人を亡くされ、お花の家元に住み込みで修行されたと聞いています。

 母、私、娘とお世話になった師匠です。その名前を今でも覚えてくださっているお茶屋さんがあることをうれしく思っています。

 ですので、通ることがあれば素通りできないのです。

 そんな時があったことを懐かしく思い出せるお店です。

 

 

 充分に朝を楽しんで、やっとのことで大形先生の講義に駆け込みました。  

 これじゃ、勉強に行ってるのか、遠足に行ってるのか分かりませんが、とりあえず素知らぬ顔で席に着きましたら、早々と漢文の訓読に当てられて汗がどっと吹き出しました。

 大形先生はどんな生徒でも受け入れてくださる先生の鏡です。決して叱らない、キャパのでっかい先生です。