こころあそびの記

日常に小さな感動を

文化遺産

 

 昨日の夕陽。一幅の幻想的な絵画のようでした。

 

 

 地球の裏側でお休みになった太陽が、泰山木の枝の間から顔を出しました。

 朝はまず太陽を拝むこと。そうすれば、完全な覚醒が得られるというのは、西洋医学東洋医学も同じです。

 健康な人の朝のルーチンは、カーテンと窓を開けることから始まります。朝日が俄然眩しさを増した今だから実行してみましょう。

 

 

 さて、大阪城公園駅に着いたら、大阪ビジネスパークの上に美しい筋雲がでていました。

 こんな空を見られると、7時台に家を出てきた甲斐があったというものです。早起きは三文の徳。

 

 

 相変わらず、外国からのツアー客の多い園内でした。

 コンダクターの急かす声が聞こえてきます。「急いで下さい。神戸(京都)に間に合いません!」と。

 そんな声を聞きながら、よくぞ、大阪にお城が遺ったと胸をなでおろしたことです。大阪城を築城した武将もえらいけれど、その文化的建造物を後世に遺そうという民意も誉めてしかるべきです。それこそが、大阪の民度です。

 何かにつけて、文化破壊を目指す勢力が台頭していることは、怖いことです。

 今まで通りではいけないのでしょうか。このお城に世界中の人々が集っている様子に世界平和を感じるのは私だけではありますまい。

 

 

 大阪城は、もと石山本願寺のあったところとされます。未だに、此処と特定できないくらいに戦火で壊滅したと看板に書いてありました。

 この石碑は道からはずれた所にあります。前から、探してみたかった場所です。今日、ようやく辿り着いたら、私と同じように遺構をのぞき込んで写真を撮ってる女性がおられました。

 消えかけていようと、先人の足跡は、後に続く者の希望になる一面もあります。大切に守っていきたいものです。

 

 

 帰りは、北浜でバスを降りて、中之島バラ園へ。

 

 

 真っ盛りのバラ園は大賑わいでした。

 

 

 バラ園を横目に、お目当てのリニューアルされた東洋陶磁美術館に入りました。

 安宅コレクションの韓国陶磁器を堪能しました。

 第6展示室は、李秉昌(イビョンチャン)博士(1915~2005)が収集された韓国陶磁器の数々です。

 入り口に掲げられた博士の言葉に触発された次第です。

 収集した貴重なコレクションをなぜ日本に留めることにしたかについて書かれていました。

 一つには、韓国陶磁器の芸術的価値を世界に伝えるため。

 二つには、在日韓国人にとって、矜持と希望の源泉になることを願って。

 

 

 その国の形は大勢の民によって長年かかって造られたものです。その中に誇れるものがあれば、それこそが国民の希望です。

 大阪城が日本の大阪の誇りであるように、韓国陶磁器がかの国人々の希望となることを願った博士の気持ちに感動を覚えました。

 文化のあり方を学んだ一日でした。