昨日の『光る君へ』~旅立ち(21)~は、大石静さんの本領が垣間見れる神回でしたから、NHK+で何回か再生してしまいました。
彼女の過去のドラマ作品である『セカンドバージン』を毎週楽しみにしていた日々が思い出されます。
あのドラマに登場した長谷川博己さんが、その後、ブレイクして、鈴木京香さんと実際に結婚されたことは、うれしいニュースでした。
あの頃のNHKのドラマとしては画期的で、そこまで書いていいの?という内容でした。
でも、それが大勢の視聴者に受け入れられたということは、人々の日常の中に潜む思いが描かれたことによるものだったと思われます。
大石さん自身が
「こうありたいという思いの向こう側にある真実」 と表現される気持ちです。
それは夢の世界ともいえるし、そこに手を伸ばしたらおしまいともいえる微妙なところを描かれる筆力に感服するばかりです。
もう一本は『コントレイル』で、石田ゆり子さんと井浦新さんのフレッシュな組み合わせにドキドキした作品でした。
これも、夫を殺した相手を好きになるというストーリーでしたね。
愛してはいけない相手を愛してしまう禁断の恋を書かせたら、大石さんの右に出る人はいないことを期待された『光る君へ』の抜擢だったんだと、今頃になって納得できます。
蛇足ながら、脚本家のキャストへの関与がどれくらいあるのか知る由もありませんが、石田ゆり子、鈴木京香、吉高由里子とくれば、なんとなく色香に共通点が。
さらに、井浦新、長谷川博己、柄本佑といえば、女にとっては安心感を抱く面々。
いや~、おもしろいです。
昨日の廃屋でのお別れシーンは、照明といい、ピアノ伴奏といい、夢のような儚い印象を残しました。
「君の字は分かる」と言った道長に対して、「(つまらないことを言いました)あなたのお顔を見ればそんな人ではないことが分かります」と応える二人。
さぁ、大石さんが得意とする「愛してはいけない人を愛する」ドラマが、後半に続いていきます。
視聴者一人一人が心の中に燻らせている愛した経験。それを引き出しすことがうまく行けば成功です。
「いつもいつも君を思う」ことを、心の奥深くに封印して生きていく。
そんなことに、蘇りを感じるドラマです。