こころあそびの記

日常に小さな感動を

くわばらくわばら

 

 昨日の嵐が嘘だったかのように、穏やかな青空が広がりました。

 

 

 プールの日です。昨日だったら、さぼったにちがいないのですが、晴れ上がった空が、行きなさいとお尻をたたくので重い身体を引きずって行くことにしました。

 そう思うのは誰しも同じだったようで、いつもの駐車場は満車でしたので、仕方なしに別枠に停めに行きました。車のエンジンを切ったら、下から杉ヶ谷川の流れる音が聞こえてくるではありませんか。

 雨で水量が増えていたのです。青々とした木々の間から見下ろした水面が、太陽の光を受けて七色に輝いていて見えたことは儲けものでした。

 

 

 ところで、近頃流行る言葉に“誹謗中傷”があるというのは、こまった社会現象です。

 近頃は、誰でも簡単にネットに書き込みができるゆえのこと。書き込む人の真意は自己承認欲求ではないでしょうか。誰かに認めてもらいたいけれど、誰も振り向いてくれない。ということは、社会の許容量が減っているとも言えそうで、社会の一員としての責任を感じてしまいます。

 

 

 “口を慎む“なんて死語の当世であっても、見てみない振りができる人と、知ってしまったら言わずにおれない人との二通りの人間がいます。

 黙っておいてあげようという親切心もあれば、言ってあげようという親切心もあるということです。

 どちらも、悪意のない善良な心から発しているのは、昔と変わりません。

 

 しかし、始めからどこかに卑しい心が見えるとうんざりしてしまいます。

 近頃、腹立たしく思うのは、「偽善」の流行です。

 「私はこんないいことしてます」という態度で、下心丸見えでも恥ずかしく思わない輩です。

 ほんとうにいいことしてるなら、黙ってても周りが認めてくれる。

 そんな時代はもう完全に終結したみたいで、それは、ひっくり返せば、受け手の無関心を逆手に取る輩が増えた証拠。騙されやすくなった大衆を嘲笑う騙し屋が忌々しいことです。 

 誰が騙されても不思議のない社会。そんな社会に誰がした。くわばらくわばら。