こころあそびの記

日常に小さな感動を

秋探訪

 

 雨が降り出さないうちに散歩に出ました。

 幸いなことに、雲が割れて青空がのぞく絶好の秋日和。丘の上で男性が一人、犬と戯れておられる他に人影もなく、静かな時間を楽しむことができました。

 

 

 集っている鵯を双眼鏡で見ようと、珊瑚樹のそばを通ったら、飛び立ったのは大群の椋鳥でした。

 赤い実を啄む小鳥たちを見ると、つい“赤い鳥小鳥♪~”と歌いたくなります。

 

 

 キノコがそこここに。

 

 

 鞘が割れて痰切豆のつやつやした実が見えています。

 

 

 カツラの紅葉の仕方は独特ですから、いつか水の流れる静かな谷間でじっくり味わいたい樹木です。樹下では感じなかった香りが、少し離れた歩道橋の上に漂っていたので、それと知れたことです。

 

 

 緑色の濃淡を見つけました。アキニレの種だそうです。秋が収穫の時というのは、すべての植物にあてはまることなんですね。

 

 

 モッコクの実も色づいてきました。

 

 

 アラカシの実が豊作です。

 池の周りに張られたフェンスから、盛んに覗き込まれているご夫妻がおられましたので、「もう、帰ってきましたか?」と小声でそっと訊ねてみました。

 「ええ。先発隊でしょう。三羽のおしどりを見たんですが・・」

 うれしいこと。おしどりはドングリを好みます。この公園のカシの木がドングリを成らせるかぎりは帰ってきてくれることでしょう。

 さぁ、冬鳥たちが帰ってきます。一年で一番この公園が賑わう季節がやってくると思うとワクワクが止まりません。

 

 

 「むかしのむかしの風見の鶏の

   ぼやけたとさかにはぜの葉ひとつ

   はぜの葉あかくて入り日色」

 

 秋がだんだんに深くなっていく様子を『ちいさい秋みつけた』の歌詞を思い起こしながら味わっています。