こころあそびの記

日常に小さな感動を

初めての道を歩く

 

 雨上がりの朝は、星が美しく輝きます。

 オリオン座のもっと上、顎をぐんと上げて、天頂近くを見やると火星の赤い色が光っています。今日も見えた。それだけで満足の朝です。

 

 昨日は雨で足止めを食らったので、お尻がウズウズ。今朝は青空めがけて飛び出しました。

 目的地を決めずに出発!気の向くままに歩きます。

 この澄み切った空気を満喫できるところへ行こう。それだけが目当てです。

 

 人間は歩きなれたルートを、ついつい辿ってしまいがちです。

 その道をちょっと外れる勇気があれば、知らない世界が拓けるかもしれないのに。けさは、それを体験できた朝でした。

 

 

 

 色づき始めたもみじに誘われるように、ご無沙汰した西江寺に寄ってみました。

 

 

 本堂の聖天宮さんの前で、お線香たての灰をザルに掬っては濾すという作業を繰り返してお掃除されてる女性がおられました。

 お寺を守っていくということは、並大抵なことではないことを垣間見た思いがいたしました。

 役行者が開祖のお寺さんです。

 ご厄介おかけしますが、ずっと護られますように。

 

 

 お寺を出たところに、標識がありました。こんなのあったっけ、と見ると、左、滝道。右、聖天展望台。と書いてあるではありませんか。

 展望好きの私には、たまらないお誘いでした。

 右に進むと、だれもいない山道が続いていました。熊さん、出てこないでとドキドキしながら上っていきました。(時々出るんです!)

 

 

 

 西に大阪湾が、南に大阪平野が展望できました。

 見遥かす空の大きさと青さと静けさの中で深呼吸しながら、こんな場所があっとことを今まで知らなかったなんて、もったいないことをしたと思いました。

 

 ほどなく、下の方からざわめきが聞こえて来ましたので、散歩の私は引き返すことにしました。

 

 下りていくと、次々と山歩きの装備をした方々と会いました。

 皆さん、楽しそう。私も、いつか、熊さん除けの鈴を鳴らしながら歩き通してみたい道でした。

 

 

 ドングリが最盛期を過ぎても、まだまだ落ちてきます。森の静寂の内にそっと響く、落ち葉の上にポトリと落ちる音が好きです。

 

 

 ミツバツツジが来春の準備を終わらせています。この道は春を一番に知らせてくれる道なのですね。長い冬を、お互い元気に越しましょう。

 

 

 途中で、犬を連れて上がって来られる方と会いました。

 「いつも、この道ですか?」

 「そうでもないけど、これからは、紅葉で滝道は混むでしょ。犬の嫌いな方もおられるだろうから、避けてこっちを通ってるの」。

 なるほど。そのお心遣いを見習いたく思いました。

 

 絶好のハイキングコースも見つけたし、さぁ、留守番の孫の昼ご飯を作りに帰りましょう。