こころあそびの記

日常に小さな感動を

緑なすはこべ

 

 3月6日にスタートした二十四節気啓蟄。いよいよ末候の「菜虫化蝶」となりました。

 今朝は、紋白蝶も紋黄蝶も飛び回っているのを見かけました。花が咲くのを今日か明日と待っているのは、彼らも同じなのですね。

 そして、来週はいよいよ春分を迎えます。

 本格的な春の到来です。

 

 

 しばらく、足を痛めて出かけることを控えざるをえませんでした。

 今日になり、ようやく外に出てみようという気が湧いたことで、あぁ、やはり体と心は連動している、とあらためて認識したことです。

 

 空を見上げて太陽を写したら、こんな彩雲になりました。お日様から励ましをもらったようで、それだけで満たされた気分です。

 自然が応えてくれているという勝手な思い込みは、練習を経て培われるものだと思っています。あ・うんの呼吸になるための練習です。

 

 この世界で、自分が気づける範囲なんてしれたものです。その小さな世界で思わぬ発見をしたり、気づきを得たりすることで、人生は豊かになります。

 それこそ、昨日と同じものを見ても、その解釈は今日の私にしかできないものだったりします。

 病み上がりの日に見る、空も雲も花も、私に勇気を与えてくれたように感じました。

 

 

 この花、ご存知ですか。

 この数年、庭の片隅が真っ白になって、きれいだなぁ。なんの花なのかな。と、思っているうちに姿が見えなくなる花です。

 

 さっき、調べてみたら、この白い五弁の花が「はこべ」と知りました。

 十弁に見えるけれど、五弁。

 その説明通りのかわいい花でした。

 いゃだぁ。「はこべ」なんて、信州にしか生えないものと神聖視していた草が、自分の足下に、しかもたっぷりと咲き誇っていたのです。

 ね。ほんとうに知らないことだらけでお恥ずかしいことです。

 

 

 生まれてこの方、出会いの数ほどには、知己は増えないものです。それと同じで、自然だって、よほどの縁がないと心に引っかかりは残しません。

 この年齢の、今日という日だから、見つけられたことを忘れないようにしたいと思いました。

 

 萌え出でしはこべの色と分るほど

            稲畑汀子