
朝日が上ってくる。光が町を順々に照らし出す。西の雲がピンク色に染って、細い眉月の東側が照り輝いて、朝ってなんて素敵な時間なのでしょう。

帰ってきてテレビを付けたら、懐かしい曲が『美の壺』のバックに流れていました。
なんという曲だったかな?というときは、携帯を見れば良いのを近頃知りました。便利な時代です。聴こえてくる音楽をトップ画面が表示してくれています。
そう、サラ・ボーンの「ラバーズ」でした。
英語の歌詞は、ざっくり言ってどれもこれも似ています。愛しているよ。そればっかり。
でも日本人はこんなに直接的な言葉は羅列できないから、そこに惹かれる気持ちもあります。
ソ、ドレミファソ♪で始まるメロディーは、バッハのメヌエットト長調から取ったものとか。
だからですね。優しい調べとサラ・ボーンの声がマッチして、今日は一日中、この曲で過ごせそうです。

大野の町紹介をもう少し。
お水がきれいな町となれば、酒屋さんですね。
千代鶴をはじめ、何件か酒蔵を見かけました。お味噌屋さんも。パン屋さんですらお水自慢なさっていました。

同業者として興味深いのは、やっぱり薬屋さんです。

表の陳列ケースに、昔の薬の名前が書かれた板が何枚か飾ってありました。
主な3枚は、中風と、眼病とやけどの薬でした。循環系の病と目の衰え、薪での火傷が三大病だったことがわかります。
左の”烏犀圓“という血の道の薬は金澤市南区町の中尾薬店のものと書かれています。
このお店は、1579年から15代、440年間続いているそうで、かつて、明治天皇の北陸巡幸の際には宿舎にされた歴史的建造物です。
また、右側の板には大黒様を登録商標にした松井萬栄堂の火傷薬が見えます。面白いのは、この薬を薬学士が調製したとあることです。今の薬店では考えられないことです。
今のように、病院がない時代には、地域の薬師が活躍したことをあらためて知ることができました。

母の思い出を辿りたかったからと、ツアー参加の動機を話したら、「私も一緒。母が勝山の出身なんです」と同調して下さったのは御年82歳の女性でした。
因みに勝山は大野の隣です。
実際に縁のある場所に行ける。それは、いろんな偶然という必然が重なったときにしか実現できないありがたいことです。
この冬も雪深い大野になるのでしょうか。気持ちを寄せる町になりました。