こころあそびの記

日常に小さな感動を

日帰り旅大好き

 

 重圧から解き放たれた娘は、階段を上がりながら鼻歌を歌っています。

 一昨日、公立の二次試験が済んだ孫は、早速徹夜耐久レースに挑むとかいって、帰ってきません。

 久々に家の中に、“普段”が戻ってきました。

 婆さんだって食中毒に細心の注意をはらってきたんだけど···とは口に出せずじまいで、自分を解放するために旅に出ることにしました。

 

 

 計画はお弁当を作り終わってからの思いつきです。

 スマホで伊丹空港発、鳥取行きの便に間に合いそうと分かり、ささっと支度していざ出発。

 動き出したバスは、中国自動車道を佐用までひた走り、その後山を越えて鳥取に向かうコースを辿るようでした。

 播磨は母方の出処で懐かしい所です。

 特に、山崎は何年か前まで、仕事で定期的に来ていた場所です。何より今さらながら山崎までの距離に驚きました。仕事という責務を全うするために頑張っていた自分に再会できたように感じる行程でした。

 

 

 途中、山と山に挟まれて日本昔ばなしに出てくるような里をいくつも越えて行きました。

 この千代川(せんだいがわ)は鳥取砂丘に砂を運び込んだ大きな川だそうで、その水量が豊かなのは、雪解け水でしょうか。

 車窓から、いろんなことを思い出してるうちに、早くも鳥取駅到着。

 

 

 

 娘に、お土産に”かに寿司“買って帰ろうかと訊いたら、“晩御飯にする”と返信してきました。

 えらいこっちゃです。予定変更して特急で帰阪しなくちゃならず、まず、みどりの窓口で帰りの特急きっぷを購入してから、観光案内所に行きました。

 「あの〜、すみません。二時間で鳥取砂丘まで行って帰ってこれますか?」

 「むこうで過ごす時間なしでもいいんなら」

 「いいんです。何回か来てますし」

と、教えてもらったバスで砂丘に向かったのは、リフトというものに乗ってみたいという目論見だけだったのです。

 子どもみたいに喜び勇んで乗って降りて、復路でもう一度乗って降りて。いやぁ、楽しかったです。その時、自分が解き放たれていたことは、リフト途中で撮ってくれた写真が証明していました。最近にはない表情で撮れています。

 なので、大枚支払ってgetしてしまったなんて家人には内緒です。

 心の窓を全開にする。

 旅の目的は、砂丘と日本海を見下ろすことで叶ったように思います。

 

 

 砂丘で冷えた体を温めるために、駅近くの銭湯に寄りました。

 昔懐かしい番台の奥さんが、

 「今日は26日、ふろの日」だからと、ヤクルト一本と、記念にとスタンプ帳をくれました。

 「また来るかどうか分からんけど、ここまでたまったら一回無料やからね」と。

 鳥取弁はこんなんじゃなかったでしょうけどね。

 ところで、いや~、鳥取は石破さんばっかり目につく所です。バスが停まれば、石破。大通りには、石破パパ。なんと、これじゃ、まだしばらく石破人気は安泰ではないでしょうか。

 

 

 お風呂から大急ぎで上がって、火照る体で特急スーパーはくとに乗り込み完了。

 電車は昔の智頭線を走ります。

 第三セクター智頭線が廃止になって、乗り損なったことを悔やんだことがありましたのに、その後JRが運行してるなんて知りませんでした。

 人生のやり残しが、こんなふうに一つ一つ叶えられていくことはうれしいことです。

 この車内チャイムは「大黒様」でした。

 ご存知ですか?あの因幡の白兎が大黒様に助けられるお話。

 明治38年に尋常小学校唱歌になって、私たちくらいまでは歌ったような、学芸会に演じたような、古事記の創作です。

 長くなりましたが、自分と向き合えた三時間の鳥取でした。