こころあそびの記

日常に小さな感動を

龍神さまに捧げる祈り

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 このまま終わってなるものかと、ほんの短い雨の止み間にも鳴き出す蝉の声に微笑ましさを感じます。
 湿気100%。障子の和紙は湿気を存分に吸って撓み、畳の上を歩くと足裏に湿り気がまとわりつきます。
 テレビでは、一面に水に覆われた情景ばかりが映し出されています。
 お盆にこんな長雨とはあまり覚えのないものです。

 日本列島の形は”龍“そのものです。
 「天の星座の形が日本にある湖の形と相似している」という説を読んだことがありますが、まさに、日本列島の形は「龍」の形を写したものでありましょう。
 形と申しましたが、“龍”は想像上の動物ですから、その形はきっと先に役目があってから決まったものと思われます。
 その役目は何か。龍は空に上り雲を従え雨を降らせることでした。
 各地に竜神様が祭られているのは、水が暮らしにどれほど大切であったかの証です。
 古事記に描かれている「ヤマタノオロチ」も竜神伝説の一つです。
 今、テレビで島根県の河川氾濫情報が映し出されています。ヤマタノオロチの暴走とは斐伊川の氾濫であったといわれています。
 素戔嗚尊のような神様がこの水害を治めてくれることを、21世紀の今も願わずにはおれないことに、人間の無力さを嘆かずにはおれません。
 
 豪雨が屋根を叩きつけています。
 そして、しばらくは止みそうにないと報道されています。
 この状況から「天気の子」を思い出人も多いのではないでしょうか。新海誠監督は、何故、雨が続く世界を描かれたのかと、あらためて考えてしまいます。
 雨を上がらせるために何ができるか。巫女的体質でない限り人柱にもなり得ません。
 それでも、そんな女の子を登場させて、一瞬の晴れ間を見せた。晴れ間のもつ爽快感は人々の心を変化させました。
 
 雨の日もいいなといえるのは、止むとわかっているからで、止みそうもないと言われると不安になるのが人間です。
 日本列島にぴったり形を合わせて居座っている飛龍さん。どうか早めにエネルギーを使い果たして、定位置の深い淵に降りていってくださいと祈るほかはない大雨です。