「今日は“木枯らし一番”が吹くかもしれません」という天気予報に怖じ気づいて、プールの着替えを億劫に感じる朝でした。いやいや、怠け心は本格的な冬まで封印すべしと自分を奮い立たせて、今日も行ってきました。
いつものように、準備体操は池田城趾公園の一周です。
町の子ですから、何度通っても見落としがあるのは情けないことです。
えっ、こんな木があったんだ。
その一つが小檀(こまゆみ)です。
低木ですから、見落としていましたのに、今日はこの見事な赤色に目が止まったというわけです。
お恥ずかしいことですが、この色がなければ気づきませんでした。
見事な紅葉です。来年は、花から実、そして紅葉と一年を通して観察してみようと思います。
青い空を背景に、そこから雲が立ち上るように見える六甲山。
強風のおかげで、大阪市内から、ずっと南の紀伊半島まで見えました。
その後、背中にお日さまの温もりを感じながら、芝生に腰掛けて目を閉じていますと、聞こえてきたのは、強烈な北西風が梢を揺らしている音でした。
これぞ、自然が発する音です。
『荘子・斉物論』に「地籟、人籟、天籟」が出てきます。
風は大地が吐く息。大地のあらゆる穴から吹き出して音を奏でるが、風そのものに音はない。自分で決めた通り道を過ぎるときに発するのが音なり。
先人の繰り出す語彙の意味は分からずとも、きっと聴いたであろう自然の音を満喫したことです。
すると、その中に「キィーキィー」と、いわゆる自転車の軋む音が混じっていることに気づきました。しかも、その音は、存外近いところから聞こえるではありませんか。
目を開けて、その音のする方を見たら、いました!ジョウビタキです。
コロンとした小さなオレンジ色の体に白いお化粧をして、しだれ桜のてっぺんで鳴いていました。
近頃、我が家の近くでも鳴き声を聞きますのに、姿を捉えることができずじまいで残念に思っていました。それが、こんなところでお目にかかれるなんて。
帰宅後、窓の外でまた鳴きました。
「ここに居るよ~」って。誰かの歌みたいに鳴き続けてくれるのは、今朝会った小鳥くんだから?