こころあそびの記

日常に小さな感動を

大暑の天神さん

 大暑の今日、大阪に出たついでに、天神祭宵々宮のお参りをして来ました。
 お祭りを前に、表門に立派な茅輪が奉納されていました。その茅は近江八幡の和船組合から贈られた葦だとか。
 近江八幡の水郷巡りをして、天満に贈られる葦たちを見てみたいと思いました。
 

 天満宮には裏門があります。
 裏門にある亀の池は、袋小路にあります。甲羅干しの亀と、それを見ている人がいるくらい。空気も流れず、ここだけ時間が止まっているように感じられる場所です。

 亀の池の奥に「すべらないうどん」という屋号の店がありましたので、話の種にと入ってみました。
 うどんに”すべらないシール”が付いてきました。
 「嬉しい。孫にやりますわ」
 「奥さんのですよ。すってんころりんすべらないようにお財布に入れといて」
 天神さんだから、受験とばかり思ってましたら、転倒という年寄りの敵がありました。心して転ばないように気をつけます。
 帰り際に、孫のシールもいただいて店を後にしました。
 

 ところで、どうでもいいのに、心に引っかかったままの些細なことってないですか。

 私の場合は、父がなぜ本家のことを「でふ」と呼んでいたのかという素朴な疑問が解けずにいました。
 昔、一度尋ねてみたのですが、そこまで真剣に知りたいと思ってなかったのか、はっきりしません。
 父も亡くなって、もうどうでもいいのに、ふと、なんで?と思い出すことがあります。
 
 手がかりは、本家は裏門にあったことです。亀の池がまだ健在なら、ヒントが見つかるかもしれないと、現場に行ってみるしことにしました。
 裏門の神様を一つずつ丹念にお参りしてみました。そうしたら、うろ覚えの音によく似た社があったのです!
 それは、「裏門」、「でふ」という父の残したキーワードに合致するお社でした。
 「霊符社」(れいふしゃ)。「れいふしゃ」という発音が子供には「でふ」と聞こえていたのです。
 ちなみに、霊符社には天御中主神が祀られているそうです。
 先祖がお参りした社を見つけたことを、来月の父の月命日に報告できると思うと、何か一つ仕事を終えたような気分になりました。