こころあそびの記

日常に小さな感動を

またまた『のど自慢』

 

 夜来の雷雨に洗われた庭の木々。

 そんな中でひときわ元気なのがヘクソカズラです。雑木に巻きついて勢力拡大中の小さな花が、雨にも雷にも風にも負けずに生き生き咲いています。

 屁糞蔓。自分に危害を加える虫を遠ざけるために放つ臭いを持つが故に、こんな名前を付けられて・・

 この花を、さりげなく生けられる人の感性を好ましく思います。

 

 

 台風情報は怖いけど、空の透明度はこれ以上ない美しさです。また、その青空に入道雲あり、千切れ雲あり、巻層雲あり。刻々と変わる空模様を楽しんでいます。

 

 

 日曜日、お昼のお楽しみは『のど自慢』です。

 いつかNHKがなくなる日に、どの番組を残して欲しいですか?と訊ねられたら、迷わず『のど自慢』をあげることでしょう。

 それくらい好きな番組です。

 歌が好きだからというだけではなくて、出演者のいのち輝く瞬間を見せてもらえることがたまらないのです。

 

 今日も、82歳の女性の歌われた「誘惑のスキャンダル」に驚きました。

 艶のあるお声で、タンゴ調の昭和歌謡を歌い上げられました。下手に帰る時に走られたのにもびっくり。あのお年であの声が出る秘訣は、全身を使えることでした。

 

 最後の大学生の歌「サザンカ」(SEKAI NO OWARI)の素直なお声にも引き込まれました。

 そして、観客席にいた恋人の涙に、こちらも涙を誘われました。つらいとき、彼に励ましてもらったのかな?

 若いときにしておくべきことの筆頭は「恋」。これは、まちがいありません。

 

 

 よくは知らないのですが、「のど自慢」は、予選会が直前にあるみたいです。

 本日、出場された女性の、「私はこんな舞台に立つつもりはなかったけど、川中美幸さんがゲストと知って、会いたくて会いたくて出場を決心しました」という言葉に百パーセント共感してしまいました。

 憧れの人と会える機会はそうそうないわけですから、清水の舞台から飛び降りてでも、夢を叶えたいじゃないですか。

 その気持ち、ついこないだの私の気持ちと同じでした。憧れの人の側に、緊張気味に立つ彼女を見ていると、自分の夢が叶わなかったさびしさが思い浮かんで、ちょっぴりセンチになってしまいました。

 

 

 (私に抱かれるのを嫌がって疲れ果てて、帰りの車で寝てしまった孫です)

 台風が来ようと、地震が来ようと、人々はめげることなく、ひたすらいのちを繋いできました。

 『のど自慢』を観るたびに、この国の底力を見る思いがします。出場者の明るい表情から元気をもらっています。