みんなが気持ちよくなる好天気です。
青空に刷毛で引いたようなすじ雲が流れて、上空にも風が吹き渡っていることを感じさせます。
朝露が乾いた午前中が絶好のタイミングと聞いたので、まずは、バラの花摘みから。
何を作るわけでもないのですが、はらはらと散ってしまうさまが見ておれなくて、摘んでるだけなんです。
この季節。ポプラの新芽が葉柄を伸ばして、5月の風に吹かれて、さらさらと音がします。
あぁ、風薫る五月とはよく言ったものです。
神様は薫風に気づかせたくて、ポプラという聳え立つような高い木を創られたのでしょうか。そう思いたくなるような、心地よい葉ずれの音が天上から降ってきます。
高い木ですから、狭い公園では収まりきれません。
その点では、大学構内は最適かもしれません。聴講日の昨日、爽やかな風に揺れる葉っぱの音を思い存分楽しんできました。
ところで、中島みゆきさんの名曲『空と君のあいだに』は、ポプラで始まりまること、覚えておいででしょうか。
「君が涙の時には
僕はポプラの枝になる♪」
広い北海道で育って、ポプラの響きを聞いて育った彼女だからこそ、こんな歌詞ができたのですね。
この年になって、ようやく、そんなことに気づけるようになりました。
それから、ポプラを植物Wikiで検索してたら、“中国では「風響樹」という“と書いてありました。せっかくなので、中国留学生の皆さんに訊ねてみたところ、なんと!誰もが知らないというお答えでした。中国が広いからなのか、Wikiの誤りなのか。
それでも、私は「風響樹」という言葉を大いに気に入っています。
「響」は“広がる音”という意味。
風に乗って広がる音。こういうとき、一字でイメージが表現できる漢字は、威力を発揮できる優れものだとつくづく感心することです。
ポプラは丸い葉っぱなのに、ヤナギ科です。
フランス語で「夏の雪」、中国では「楊絮」。地面を真っ白にする綿毛の季節がもうじきやってきます。
その日をポプラと約束することはできません。
ポプラの精霊さま。どうか、ご招待下さいまし。