日の出が6:30頃、日の入りが16:30頃になったので、ざっと14時間が夜という計算になります。
夜が長ければ、手仕事や読書や長寝ができてうれしいと思うのは私だけかもしれませんが、夜長をもっと素敵な時間にする方法のひとつに星空を楽しむということがあるのをご存知ですか。
これからの夜空はどの季節よりも美しく見えます。それを眺め尽くせるのが、この冬なのです。
古人にも、そんなことに気付いた人がいたようで。
秋の夜を長きものとは星あひの
かげ見ぬ人のいふにぞありける
夜長がおもしろくないと言う人は、星を見上げたことがないのかもしれない。
ほんと、星空は見飽きることがありません。
最近になって、「カシオペア座は12月2日午後8時に南中する」のは、毎年のことと知りました。
そこで、きのうの夜、『光る君へ』が終わって、庭に出てみました。本当は北側を見渡せる場所に行ってみたかったのですが、寒さに怖じけづいて省略したのは婆さんの証明です。
街灯が明るすぎて捉えられなかったので、双眼鏡を向けてみて驚きました。裸眼で見えなかった星々がレンズの中にいっぱい映ったのです。その数が半端なくて、ますます、どれがカシオペア座かわからなくなったという、恥ずかしい結末でした。
カシオペア座のことを、日本で“山形星(ヤマガタボシ)“と呼んでいるのは、“M“の形をしているところから名付けられたようです。
ギリシャ神話ではカシオペアとケフェウスは王妃と王で、カシオペアは自慢話ばかりするのて神様に戒められて椅子に縛りつけられて、北極星の周りをぐるぐる回ることになったとか。
かように、星座の話はギリシャ神話を通らざるを得ないところがあって、ちょっと敬遠しがちです。だって、ちょっと怖い話が多いんですもの。
ところが、先日図書館で借りてきた野尻抱影さんの本には日本の伝承話がタップリ載っていて気に入っています。
「星の抱影」なんて呼ばれるほど有名な方だとはつゆ知らず、お恥ずかしいことです。
例えば、カシオペア座は日本では「錨星(いかりぼし)」と呼ぶ地域があって、漁師は北斗七星が見えない季節はこの星座から北極星の位置を知った、とあります。
星が好きで好きでたまらなかった明治の巨人です。そのおかげで、星の和名の意味までも知ることができるのです。
あとに生きる者に喜びという足跡を残して下さったことを感謝します。
だから、今晩もカシオペア座探しをリベンジしたいと思っています。